魁は何とも思わないかもしれないけど、私は本当に嫌なのに。
「じゃあ決定!また日曜日ねっ‼」
もう口も挟めない。
明菜は何もかも勝手に決めて、もう用ナシとでも言うかのようにそのまま魁とどこかへ行ってしまった。
私はその場から動けなくて、強く手を握り締めたまま。
「何て言われたの?」
みんな様子を見計らって見に来てくれたけど、彩葉の顔を見たら言えなかった。
「何でもない。『また一緒に遊ぼ』だってさ。そんなことで呼ぶなって感じだし」
彩葉と一緒に行ったことも、新しく明菜に塗り変えたくない。
ずっと4人だけの思い出しかいらない。
だけど今更行かないなんて言えない
もう、行くしかないじゃない。
さすがに3人は嫌だったから、尊琉君にも声をかけた。
何となく事情がわかったのか、心配してくれたけど、そんな態度は絶対に出さなかった。
たった1日だけ、私がガマンしたらいい。
尊琉君もいてくれるから、弱音なんて吐いちゃいけない。
尊琉君は日曜日空いているらしく、本当に4人のWデートになった。
その後すぐに教室には戻らず、近くの女子トイレに逃げ込むように入る。
気持ちを落ち着かせるように何度も深呼吸を繰り返して、天井を見上げて下唇を噛んだ。
嫌だ、行きたくない、会いたくない、見たくない。
頭の中に2人がもう想像出来ている。
今だって泣きそうなのに、当日はどうなるんだろう。
1日身が持たないよ……
「どう?悔しい?私の言いなりになるの」