「やったぁ‼いつ空いてるの?私たち桜綾に合わせるよっ」
どれだけ屈辱を味わわされるんだろう。
どうしたら明菜から逃げられるの?
「今週の日曜日……何とかする」
元々予定なんてない。するなら早く終わらしてやる。
「ほんとに!?じゃあ開園時間に遊園地集合ねっ‼」
「……遊園地?」
待ってよ。それって……
「前行ったことあるんでしょ?そこと同じよっ?」
「え……」
前と同じって、そこは――……
魁と彩葉と遼也と行った、あの遊園地のこと……?
何で……っ。
「何で遊園地なの?違う場所にしようよ」
「だって他にいい場所ないし、私も遊園地でWデートってしてみたかったのっ‼」
あの場所は、私にとっては思い出の場所。
いろんなことがあって、私と魁と2人だけしかしらないこともいっぱいあったのに……
初めて魁と2人で遊んで、初めて魁が抱きしめてくれて、初めて私にぬいぐるみをプレゼントしてくれた、私にとって大切な思い出なのに……
その場所に、今度は大嫌いな人と行って、嫌な思い出を植え付けられるの?
そんなの……嫌。
「ねぇ、魁くんもそこがいいよねっ!?」
「う、うん……っ」
どうして?
お願い魁。嘘でもいいから嫌だっていってよ……