「……魁?」
教室を覗き込むと、魁が机に座って外を眺めていた。
小さく呟くと、魁が振り返る。
「悪いな、急に呼び出したりして」
「ううん。全然いいけどどうしたの?」
教室には、私と魁の2人だけ。
それだけでもう心臓が持たない。
ドキドキが止まらないよ……
さっきの言葉が頭から離れなくて、期待ばっかり抱いてしまう。
なるべく顔を合わさないように近づくと、私は魁の前の席に座った。
魁は少し間を置いたあと、口を開いた。
「あの……ちょっとお前に聞いてほしいことがあるんだ」
「う、うん……」
魁も私と目を合わせようとしないで、どこか照れているようにも見える。
もしかして……本当にこれって……
「実はさ……俺好きな人が出来たんだ」
「え……」
「ずっと前から気にはなってたんだけど、今はどうしようもなくその子のことが好きなんだ」
嘘……魁、好きな人いたの?
しかもずっと前からって、大分長いの……?



