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「お待たせ。行こ」
「うん」
廊下を並んで歩いていると、ふと視線を感じて振り返った。
誰もいない。気のせいかな……?
「どうした?」
「ううん、何でもない」
多分私の気のせいだね。
そう思って再び私は歩き出した。
――まだ私は知らなかった。この視線の中にある、本当の意味を。
「ここ」
「こ、ここ?」
尊琉君に連れてこられたのは、オシャレなケーキ屋さん。
尊琉君のことだからまたゲームセンターか買い物かと思ってたから、着いた時はちょっとビックリした。
「桜綾ちゃんケーキ好きなんだろ?」
「え?何で知ってるの?」
ケーキは1番大好きな食べ物。1日に何個食べても飽きないくらい。
でも尊琉君に言ったことあったっけ?
「まぁいいじゃん。入ろ」
「?」
手を引かれ、中に入る。
尊琉君のことだし、逢織に聞いたのかな。
自動ドアが開くと、目の前に広がる光景に私は飛び付いた。
「うわー可愛い」
ガラスケースに並べられた、何十種類もあるたくさんのケーキ。
近くにはプリンやクッキーや洋菓子もたくさん並べられている。
子供みたいにベッタリとくっついて見ていたら、後ろからクスッと笑い声が聞こえてきて私はようやく我に返った。



