好きが涙に変わって溢れてく。


あんまり考えたことなかったから、真剣に考える。



「そうだなぁ。理想としては、背が高くて、カッコよくて、優しくて、大人で、ずっと大事にしてくれそうな人かな」


「…………」



何でそこで3人とも無言になるのよっ……


しかも目見合わせて固まってるし。



「あのさ……それって、まっったく魁に当てはまってないよね?」


「せいぜい背が高いくらいじゃない?」


「うん。絶対そう」



そんな3人で思いっきり否定しなくても……



「私は別にカッコいいとは思わないし。優しくもないよね。桜綾には」



“桜綾には”の部分が結構胸に刺さる。

わかってるけど……



「私は全く思わないかなぁ」


「私も」



みんな結構辛口な意見だな。


逢織、瞳……君たちのタイプは全く違うからね。


彩葉も私とはあんまり合わないからなぁ。




「わかってないなぁー。あいつはあいつでいい所いっぱいあるのっ。私が好きになったらそれでいいの」



でも逆にそっちの方が私は安心かも。


あんまり周りから“カッコいい”とかキャーキャー言われてる人だと何か近寄り難いしヤキモチいっぱい焼きそうだし軽そうだし。


だから自分だけが“好き”って思えばそれで十分。




「ねぇ、桜綾は魁君のどこに惚れたの?きっかけって何?」


「えー……それ言わなきゃダメ?」


「うん。そういえば知らなかったから知りたいなぁって思って」



できたら知らないままでいいよ……


改まって言うのすっごい恥ずかしい。



「私も聞きたーい」



逢織はこういう話大好きだからすぐ食いついてくる。