息が降りかかるほどの至近距離。
体が石みたいに固まって動けない。
尊琉君もじっと私を見つめたまま動かなかった。
どうしよう。このままじゃ……っ
すると尊琉君は手を離して、私から離れた。
「桜綾ちゃんが嫌がるようなことは、絶対にしねぇよ」
どうやら尊琉君は私の心を読みとったらしい。
――キスされるんじゃないかって。
「俺、何言われてもされても桜綾ちゃんのこと諦めるつもりないから。最後まで頑張ろうって思ってるし」
これも……私の思ってたことがわかったの?
「だからさ……この間の俺の告白、忘れて?俺が自分なりに頑張って自信がついたら、その時にもう1回改めて告白するから。返事はその時に教えてほしい。それでダメだったら、その時はちゃんと桜綾ちゃんのこと諦めるから」
こんな経験1度もないし、こんな風に言われたこともない。
何もかもが初めてのことで、どの答えが正しいんだろうって考えていた。
「迷惑?」
「違うの……全然迷惑とかじゃなくて、むしろ嬉しいよ。ありがとう」
尊琉君の気持ちは凄く嬉しい。
だけどね……
「ただ、尊琉君に辛い思いはさせたくなくて……だから本当にそれでいいのかなぁって思って……」
「当たり前だろ?そうじゃなきゃ言わねぇよ。まぁ迷惑って言われても多分そうしてるだろうけどな」
あなたの笑顔で、胸が暖かくなるのは本当。
優しい気持ちになれるのも、本当。
「それまでは、俺らはただの友達。……納得してくれる?」
なれるものなら、なりたい。
あなたを好きになりたい。
あなただけを見つめたい。
「うん」
あなたがそれでいいと言うのなら、断る理由はない。
私だって、頑張るから。
いつかあなたのことを“好き”って言えるように。
あなたの告白に“はい”と答えられるように。



