好きが涙に変わって溢れてく。


昨日言ってた言葉と一緒。


初めからその気持ちで、たくさん助けてくれたんだ。



「それ見てね、思ったの。“あぁ、桜綾と一緒だなぁ”って。叶わないとわかっていても諦めないで最後まで頑張ろうとする所とか。その人に一生懸命な所」


「うん……それは、私もそう思った」


「だから、私は両方応援しようって思ったんだ。どっちも1つの恋に向かって頑張ってるから、だからどうなっても何も言わずに祝福しようって。桜綾が尊琉とくっついても……魁君とうまくいっても」



魁と……?


そんな話、有り得ないはずなのに。



魁も、私や尊琉君と同じだった。

唯一想いが届いたんだ。


あの2人は今幸せなんだ。私が入っていく隙もないくらい。



「私ね……本気で魁を忘れる為に頑張ろうって思ってる。少しずつでいいから。それで尊琉君のことを好きになれたらいいなって」



ずっと好きだった気持ちは、なかなか消せない。でも、ゆっくりと前を見て進んでいきたいから。


いつか尊琉君を“好き”って思えるように。



「桜綾が決めたことなら、何も言わないよ。ただ、無理だけはしないでね」


「うん」


「それから、自分の気持ちには絶対に嘘つかないで……」



私の中にある何かを、逢織は見抜いているようだ。


絶対にその言葉、忘れないようにしよう。



「うん……っ」









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付き合ったって聞いて改めて明菜と魁のツーショットを見るのはすごく辛かったけど。


その度に自分の気持ちが抑えられていくようで、自分の中ではいい刺激になるんじゃないかって思った。



益々2人でいることが多くなったから魁とは話さないし、明菜は誰もいない時は相変わらずだけど、何もしてこないし。

それに尊琉君も今まで通り普通に接してくれているから。




「一緒に帰ろ」


「うん」