「あ!桜綾ちゃん‼」
教室には、彩葉たちと一緒に尊琉君もいた。
私に気付いて笑って手を振る尊琉君。
私も息を整えながら微笑みを返す。
「どうしたの?そんなに息切らして」
キョトンとしている他の3人。
「いや、何となく走ってきただけ」
「そんなに私らに会いたかった?」
ニヤニヤと笑う彩葉に、私はしめた!と思い何度も頷いた。
「そうそう‼実はそうなのっ‼」
全く深い意味のない言葉だとわかっているのに、私の顔は焦って真剣そのもの。
きっと嘘をつくの下手だな……。
「あははっ、桜綾ちゃんって意外と面白いんだな」
「意外じゃなくて、桜綾はいつも面白いよ」
“いつも”って大きなお世話。
逢織ってば余計なことを……
「だから、一緒にいてすごく楽しいの」
私を見て、逢織はとても穏やかな笑顔を向ける。
逢織からそんな言葉が聞けるなんてそれこそ意外で、私は恥ずかしくなって下を向いた。
「それは俺も思う。いつも楽しそうに笑ってるしな」
「いつも?」
「あ、いや……何でもないっ」
何で“いつも”?
また尊琉君は慌てて口を抑える。
それを見て逢織たちは笑ってるし……
気になる。
「じゃあそろそろ戻るから」
「うん、バイバーイ」
そそくさと尊琉君は自分のクラスへ去って行った。
「ねぇ、さっきのどういう意味?」
「さぁ?ただのバカなのよきっと」



