「何してるの?」
「ん?寒いから暖まってんの。その為に休み時間はしょっちゅうここに来るんだよね」
「そうなんだ……」
教室はあんまり日が当たらないから寒いもんね。
確かに暖まるには最適な場所かも。
「桜綾ちゃんは?本でも借りにきたの?」
「……ううん、ふらふら歩いてただけ」
他の人達が私たちのやりとりを見て、ニヤニヤと笑い出した。
「尊琉、この子が桜綾ちゃんなんだ?」
「いいねぇ~」
尊琉君の腕を肘でつついてからかっている様子。
みんな私のこと知ってるみたい。
あの日以来多分増えたんだろうな……
「う、うるせぇな……」
尊琉君は恥ずかしそうに手を払う。
あ、もしかして私がここにいるの迷惑だったかな……
早いとこ帰ろうと思って引き返そうとすると。
「あ、桜綾ちゃんっ‼」
歩きだす前に尊琉君に呼び止められた。
「寒いし、まだここにいたらいいのに」
「……迷惑じゃないの?」
「へ?何で?」
キョトンとしている尊琉君。
迷惑ではなさそうだ。
「そうだよ、ここにいればいいじゃん」
「ギリギリまでいた方が暖かいし」
口を揃えてそう言ってくれる、みんな。
初めて喋った人たちなだけに、私は彼らが不思議で仕方なかった。



