クスクス笑って否定する逢織。
じゃあ尊琉君は見た目で判断して正しい人だな、きっと。
「ねぇ……じゃあみんなから見て、魁ってどんなイメージ?」
「え?魁くん……?」
いきなりの私の質問に、3人は戸惑いを隠せないようだ。
そこまで対したことない質問に、真剣に悩んでくれている。
「面白いかなぁ?」
「魁はただのアホにしか見えない」
「喜怒哀楽が激しい」
見事にバラッバラな意見。
彩葉が真っ先に逢織を見た。
「喜怒哀楽が激しいって……逢織、そんなに見たことあったっけ?」
「何となくだよ何となく、イメージ的に。でも桜綾の前だとそんな感じに見えるなぁ」
「え、私……?」
そうかな?
それは彩葉の言うとおりあいつはただのアホだから、単純なのかもね。
「どうしたの?いきなりそんなこと聞いて」
「別に何もないよ。ただ、どうなのかなぁって思って」
「あいつよりは尊琉って人の方が何百倍もいいねっ‼」
力強く言う彩葉は、視界に入る魁をキッと凝視する。
私はその方をなるべく見ないようにした。
それでも自然に耳に入ってくる、2人の声。
「……ちょっとトイレ行ってくるねっ」
逃げるように離れると、一瞬だけ魁と目が合ったような気がしたけど。
すぐに目をそらして、そのままトイレへ向かった。