「たける君……?」



全然わかんない。

しかも6組って階が違うし。


名前も聞いたことないし、男は魁と魁の周りにいる人と、同じクラスの人くらいしか……



「あはは、やっぱそうだよなっ」


「ご、ゴメンなさい……」


「全然いいって‼人数多いもんなっ」



尊琉君か……明るくて優しそうな人だな


緊張が解かれていく感じ。



「私のことは、知ってるの?」


「知ってるよ。この間この教室で明菜って子に怒鳴ってただろ?」



グサッと刺されたような感覚。


見られてたんだ……

でも何で階が違うのにわかるんだろ?


もしかして、声が大きかったとか……?


広まったのかな……



「もうあれは忘れて……私もあんまり思い出したくないの」



これじゃあもう全校に広まってもおかしくないな。


嫌なイメージ与えちゃったなぁ。




「なんてな。ホントは2年の時から知ってる。そのことはここの階の奴に聞いただけだから見てねぇし」


「2年の時から……?どうして?」



「さあな。それは秘密」