「いいよ。1人で頑張れるからっ」
「でも大丈夫?こんなに汚いのに」
逢織はいつだって本気で心配してくれるんだけどなぁ。
この2人ときたら……
「何とかなるよきっとっ‼だから大丈夫っ」
こうなったら何が何でも徹底的にきれいにして、先生とこの2人を驚かしてやる。
どうせ家に帰ってもヒマだし。
「じゃあねー、桜綾」
「はいはい、また明日ねっ」
みんなはそれぞれ用事作っちゃってさ。
逢織と彩葉は彼氏で……瞳はまた部活を覗きに行くのかな?
いいよねぇ、予定がある人はさ。
みんなぞろぞろと帰っていくし。
私は箒でゴミの散らばった床を掃きながら、学校の坂をおりていくみんなの背中を窓から見つめていた。
そういえば、前にも今日と同じ時があったなぁ。
遼也と魁に見られて、魁だけが掃除するの手伝ってくれたっけ。
もう今となってはそんなこと有り得ないのに、1人きりとなった教室でどこか期待している自分がいた。



