ただの八つ当たりだ。
申し訳ない気持ちでいっぱいで、気がつけばお兄ちゃんの部屋の前で私は立ち往生していた。
何も音がしない、もしかして……寝てるのかな……
ムカつく奴だけど悪いのは私だし、お兄ちゃんはお兄ちゃんだし謝りたい。
意を決して、私は扉をノックした。
「お兄ちゃん?いるの?」
返事がない。やっぱ寝てるか……
めげずに私が中に入ろうとすると、ドアノブに触れる前にガチャ、と開いた。
ビックリして私は慌てて手を後ろに隠す。
「あ、ごめん……寝てた?」
無表情の自分の兄。いつもの憎たらしい顔はそこに全くなかった。
「何?」
怖い……どうしよう……
怖くてうまく喋れない。
絶対に怒ってる。
「あの……ごめんなさい」
とにかくそれだけを伝えなければと素直に謝ると、お兄ちゃんは“何が?”と意味をわかっていないようだ。
「その……前に、お兄ちゃんに酷いこと言ったでしょ?それを謝りたくて……」



