「桜綾……いつでもメールとか電話してきてね」
「ありがとう。じゃあまた明日ね」
手を振って、そのまま教室から出た。
前から歩いてくる人が2人。
遼也と、魁だ……。
遼也が私に気付いたが、私はすぐにそっぽを向いた。
今は魁と目を合わせたくない。
「あ…」
何か言いたそうだったけど、私は見向きもしないでそのまま家に帰った。
お母さんが家に帰ってくるにはまだ早いから、家には誰もいないと思っていたら鍵が開いていた。
玄関にはお兄ちゃんの靴。
帰ってきたんだ…
私がお兄ちゃんに酷いことを言ってしまったあの日から、ずっと喋ってなかった。
お兄ちゃんが友達の家に泊まりに行ったりと、なかなか顔も合わさなかったから。
だからどこか気まずい。
リビングにいないってことは、部屋かな……
今思うと“魁に似てるから”なんて勝手なこと言って、お兄ちゃん見てると辛いとか苦しいとか、すごい最低なこと言っちゃったな……



