止まらない。これ以上言ったら益々私が悪くなっていくだけなのに。
でもお願い、誰かわかって……
「お前、最低だな」
低い声で言い放ったのは、魁だ。
「ここまで友達を悪く言うやつだなんて思ってなかった。見損なったよ……」
泣きじゃくる明菜の手を握りしめ、魁はそう吐き捨てた。
その言葉は、私にとって心臓をえぐられるような痛みだ。
魁は……わかってくれない。
みんなも、誰も。
いきなりこんなこと言ったんだもん、明菜意外に噂流した人は考えられないけど証拠もない。
当たり前といえば当たり前。
だけど……せめて私のことも信じてほしかった。
明菜……いつまで泣いてるの?本当に泣きたいのはこっちだっていうのに……
呆然と立ち尽くしていると、明菜は魁の腕に抱きつき、そして……
誰にも気付かれないように、私に向かって勝ち誇ったかのような笑みを向けたんだ。