泣いてる明菜。

かばう魁。


どんな理由があろうと、手を出そうとしたのは、私。


悪いのは、誰がどう見ても、私……



「こんなに友達思いのいい子なのに、なんで明菜ちゃんを責めるんだよ。訳わかんねぇよ……お前」



みんなが同じ目で私を見てる。ザワザワとざわつき始める廊下。



悪役は、私……



明菜の涙に、みんなが洗脳されてる。


だけどまだ負けない。




「誰が友達思いのいい子?何もわかってないのよ。いつも猫かぶって、こういう時だけ悲劇のヒロインぶって、みんなを味方につけたいだけ。散々私のこと馬鹿にしたくせにね」



冷たい目で、私は泣いている明菜を睨み付ける。


何度も首を振っている明菜。



「そんなことしてないっ。本当に桜綾のこと心配してるのに……酷いよ、桜綾。信じてくれないの……?」



また泣いて、そんな弱々しい声だして、守ってもらおうとして……



「何が心配してるよ?自分が良く思われるためならどんな卑怯な手だって使う奴が、こんな時だけ都合のいいこと言わないでくれる?」