「あ、ぬいぐるみ。ありがとうね」
「あ~あれか、お前にそっくりなやつ」
「何が“私に似てる”よ。可愛いってことで受け取っといてあげる」
「へっ……言ってろ言ってろ」
軽くあしらうように言うと、魁は時計にチラリと目を配る。
「じゃあな。話はそれだけ」
「うん、じゃあね」
手を上げると、そのまま魁は明菜を見た。
「明菜ちゃんおはよう‼」
どうやら明菜の存在を忘れた訳ではないらしい。
しかめっ面だった明菜の顔が一瞬で笑顔に変わる。魁に手を振り替していた。
小声で話してたから聞かれてないとは思うけど、大体は予想ついただろうな……すごく睨んでたし。
でも、気にすることないよね。堂々としてればいいんだ堂々と。
「ねぇ何話してたの?」
「べっつにー、秘密」
「え~、怪しー」
それからも明菜の鋭い視線を感じたけど、私はなるべく見ないようにしていた。



