好きが涙に変わって溢れてく。


「そうだよねー!私もそうなんだぁっ」


結構離れてるのに、明菜の声だけが聞こえるって私の耳はおかしい。


じっと明菜を見ていると、“あっ”と言って目線をずらした。



「魁くんっ」



追うようにその先をみると、魁が扉の所にいた。


小走りで近づいていく明菜。


またか……と思ったけれど、魁は明菜に見向きもしていなかった。



「片桐‼」



え、私……?


ピタリと明菜の足が止まる。

魁は確かに私に手招きしていた。


入ってきたらいいのに……



「魁から呼び出し!?ちょっと~なんか怪しいじゃない2人ともっ」


「何でそうなんのよっ」



いつもからかうんだから……この3人は。

痛々しい明菜の視線には気付かないフリをして私は魁の元へ。



「昨日はありがとうな。遼也も感謝してるって」


「ううん、こちらこそ」


「あいつお前に礼言うの恥ずかしいから俺が変わりに行ってこいってうるさくてよ……」


「はは……なるほどね」



散々私に意地悪なことばっかしてるんだから、そりゃ恥ずかしいだろうね。


思わず納得。