好きが涙に変わって溢れてく。



今から音楽の授業。

一番大っ嫌い。明菜と同じ授業。



あの日以来もう隣同士で座ることはなく、私も明菜も違う友達と一緒にいるようになった。

だからもう全くと言っていいほど喋ってない。



音楽室の扉をあけると、すぐ前にある窓の所に明菜が腕を組んで寄りかかっていた。


まるで私を待っていたかのように。


いつもギリギリで来るから来ないと思ってたのに……



今はまだ私と明菜の2人だけ。

なんて最悪な状況なんだろう。


私は無視して一番奥の席へ向かおうとした。








「――ねぇ、魁くん達とデートしたの?」


「っ!?」



思わず振り向いてしまった。


どうしてそれを……


「話聞こえてきたの。ねぇ、したんでしょ?」


やっぱ聞こえてたか……。それなら仕方ない。


「したけど……何?」


「……別に?聞いただけ」



上から見下ろすような明菜の視線。

明らかに何かを企んでいるかのような瞳。