「魁って照れ屋でしょ?だから誕生日とかホワイトデーとか、お祝いの日ですらあげるの恥ずかしがるんだよ?あ、もちろん女にだけどね。
だから……凄く緊張しただろうね、桜綾に渡す時。いやぁ~成長したね、あいつも」
そうなんだ……そこまで照れ屋なんだ。
だから私に渡す時バッグの中に隠して、教える時もメールだったのかな?
ってことは、私が一番最初?
「よかったね、桜綾。まだ脈無しとは限らないよっ‼」
私が最初。それだけで何か特別なことを思ってしまう。
「うん、嬉しい……」
あ、でも……ただの友達としてで、私が女に見られてなかったらどうしよう……
でも、観覧車の中で抱きしめてくれたし……
よくわかんない。
「これからも頑張ってね‼」
「うんっ‼」
それでも嬉しいことには変わりないんだし、今の気持ちを考えておこう。
まだどうなるかわかんないんだし、私は私なりに頑張ればいいよね……?
でも私はまだ気付いていなかった。
近くにいる明菜の存在を。



