さすがは日曜日。見渡す限り人だらけ。
あまりの多さに、私と彩葉は呆然。
「凄くない……?この人ごみ」
「うん……」
この人ごみの中から魁と遼也を見つけなきゃいけないってことか……
時刻は約束の時間を指していた。
きっと2人共もう着いてるだろう。
人の波に合わせて、私たちは待ち合わせ場所へ向かう。
「あ、いた!」
彩葉に手を引かれて人ごみから抜け出すと、小さな噴水の前に2人が立っていた。私たちに気付いたのか、手を上げる魁。
彼を見た瞬間、顔の温度が一気に上昇した。
魁の私服姿……凄くカッコいい……
「おまたせっ」
「おう」
駆け寄る彩葉の少し後ろに私は立った。
彩葉と遼也……早速喋ってるし。
もう両想いだということを知っているから、見てる側としては微笑ましい。
「おはよ、片桐」
「あ……おはよ」
魁がカッコいいからか、それともあまりに自分に自信がないからか。
魁を直視できずにいた。
魁はいつも通りなのに。



