「じゃあ俺も、同じだな」
互いの視線が、混じり合う。
「俺もお前と同じくらい、明菜ちゃんに片想いしてるから。誰にも渡したくないんだ」
そんなこと、笑って言わないで……
どうしてあんな子……
私には、何が足りない?
魁に好かれるためなら、なんだってするのに……
心の中にモヤモヤが出てきて、どうしようもなくて私は遂に口にしてしまった。
「ねぇ……本当にちゃんと、明菜のことわかってる?」
「え?」
言っちゃダメ。何度制御をかけても、私の口は止まらない。
「明菜の性格を、全部ちゃんとわかってる?」
そんなの有り得ないのはわかってる。
男の前じゃ決して素顔を見せないんだから。
だけど、あんな性格の人に奪われるのならちゃんと知ってほしいと思ってしまう。
「何だよそれ、どういう意味?」