まるい顔がすき!

「瀬原くんなんでここに」


冷静さを保とうと必死に取り繕って話すけど、声がどうしても震える。


「今田さんが、彼氏とずーっと話してるから。で、会話の中で【この後紗綾とクレープ】って聞こえてさ。もしかしてずっと待ってるのかなーと思って覗きに来たら、案の定ね。」


そういって瀬原くんは、私のもとへ近付いてきた。



やばいやばいやばい。イケメンがこっちに来る。



私は咄嗟に両手を前に出してブンブン振った。


「だ、大丈夫だよ!待つの慣れてるから」


「俺と行こうよ」


「え」


「俺と、行こう!」



ひょぇえええええあああ?!?瀬原くんと?!?!



「で、でも、美咲と約束してるし...」


とにかく必死に冷静アピールをしてみるけど、すればするほど焦りがひどくなる。


「大丈夫だから。ね?」


そういって瀬原くんが、私の手を握った。



握った。私の手を。今、確かに瀬原くんが。私の手を。



神様仏様お母様。今日という日まで見守ってくれてありがとう。私は今とても、幸せです。


今の状況を必死に目に焼き付けていると、突然教室にあいつが入ってきた。


「あ~、あちぃ」


林だ。サッカー部に所属している林は、練習を抜け出してきたのか汗をユニフォームを捲り上げ拭きながら、独り言を呟いた。

でもすぐに私と瀬原くんの存在に気付く。