恋するホイップ




遠目からでもわかるほど、可愛らしいふわりとした女の子が隼人くんに抱きついた、あのとき。


ショックをうけたことに、私自身びっくりした。


出会いが特殊だったからか、私は隼人くんが学校でどんな生活を送ってるのか全く分からない。

どんな人たちと付き合って、どんなふうに日々過ごしているか知らない。


だから、あんなに可愛い女の子と親しいことだって知らない。



別に驚くことじゃないはずだった。


あんなにかっこいいんだもん、隼人くんは。

いろんな子に言い寄られてる姿が、容易に想像できる。



あの子と私とじゃ、隼人くんを見てる時間も知ってる量も違う。


こんなぽっと出の私が、よもや王子様みたいにかっこいい隼人くんから“デート”なんて言われることが夢みたいに不思議なことだ。



私、隼人くんのことが好き。

だけど、私…



出会って1カ月足らずの私が、こんな気持ちを伝えていいのかな。



あの一連をみて、すごく不安になった。


迷惑じゃないかな、不釣り合いなんじゃ、出会ってすぐ好きになったみたいに思われて、気持ちの軽い女って思われるかも


いろんな感情が溢れて、全く整理がつかないまま今日を迎えてしまった。