「うん、ばっちりね。じゃあ、いってらっしゃい」
「ありがとう、行ってくるね。帰りは遅くなるかもしれないから」
「はいはい、泊ってくるのね」
「ちがーうっ!!」
面白そうに笑いながら手を振る母に見送られ、私は疲れた気持ちで家を出た。
ああ、余計な会話してたら時間すぎちゃった。
私は腕時計を確認して、少し歩く速度を速めた。
今日のデート…。
隼人くんはもう、デートって断言しちゃってたけど
私は今日隼人くんに正直な自分の気持ちを伝えなくちゃいけない。
私、隼人くんのことがすごく好き。
隼人くんがデートって言ってくれたことが、カップルとまでいかずとも、普通の友達よりは距離が近い気がしてすごく嬉しかった。
もっと隼人くんに近づきたい、話したい、一緒にいたい。
でも…
頭の中で、つい先日の一場面が浮かんだ。


