「こんな時間に食べたら、絶対太るなー」


わかってはいるけど、働いた後は必ずおなかが空いてしまう。疲れてるし、体が糖分を欲してるのがわかる。

欲に負けて、今日も道を歩きながらワッフルを大口開けて頬張った。


暗い道から、にぎやかで明るい通りに差し掛かった。


バイト帰りに必ず通る繁華街だ。


夜の9時だというのに、通りはこれからが騒ぎどころだと言わんばかりに賑わっている。

バイト始めたばっかりの時は、この通りもあの暗い路地とは違う意味で同じくらい怖かった。

酔っ払ったおじさんとかに絡まれたり、ヤンキーなお兄さんにカツアゲされたりしそうで。



でも今じゃそんなこと全く不安に思うこともない。

むしろこの夜中の明るい光景を見るのが楽しくなっていさえする。




居酒屋で楽しそうに呑んでいるサラリーマン。

店の脇の地面に座り込んで駄弁っている未成年らしき女の子たち。



いろんな人が楽しそうに笑っているのを、私はバイト帰りに眺めながら家路をたどるのが好きになった。





それに、もうひとつ、

この通りを歩く楽しみがある。