ど、どういうこと…?
なんでそんなことになっちゃうの?
「毎回会えば変な会釈しなきゃなんなくてウザくなったとか」
「違います!そんなこと思ってません!」
私は必死で否定した。
だってこんな誤解されるなんて嫌だ。
私、そんなこと思ったことないのに。
確かに私たちの関係って本当に変だったけど…でも私はそんなことでもすごく嬉しくて
むしろあの会釈すらなくなったら私とこの人の接点なんて何もなくなっちゃうって不安にさえなってたのに。
「そうじゃなくて…バイトを休んでたから、この道を通らなかっただけなんです」
「休んでた?1週間も?」
なおも掘り下げてくる彼に戸惑いながらも私は頷く。
「今週、私の学校テスト期間で…期間中はバイト禁止なんです。この繁華街の通り、バイト帰りしか使わないから普段あまり使わなくて…」
「テスト?」
今度ば彼がきょとんとした顔で私を見る番だ。
食い入るように見つめる彼に私はこくっと頷いた。
「はい。だから決して、あなたが嫌だったからとかではなくて…その、それだけの理由です」
「………」
しばらく固まったあと、
彼は急に「はーー…」と深いため息をついて地面に座り込む。
「テストって…なんだ、そういうことかよ…」
くしゃくしゃ乱暴に髪を掻く彼。
もしかして…すごく自分勝手な解釈だけど
心配してくれてた……とか?


