「…気になる?」
「えっ」
思わず裏返ったわたしの返事に、面白そうにニヤニヤするゆっこ。
「そ、そりゃ毎回顔合わせてれば、ちょっと離れると気になったりする…もの…でしょ?」
「え〜そうかなぁ?会釈してるだけの間柄じゃん」
「それはそうなんだけど…!」
私は気まずくなって視線を避けながらジュースのストローに口をつける。
でも気になっちゃう。
会ってない1週間、気づけば彼のことが頭に浮かんでいる。
今日もあそこにくるのかな、とか
私がいないこと気づいてるかな
とか。
毎回顔合わせてたし、いないことにはもしかしたら気づいてくれてるかも。
…って、気づいてくれてたとしてもどうもしないかぁ。
あの人にとって、私ってただの「なんかよく会う人」みたいな認識しかされてないだろうし
そもそもあんまり他人に興味なさそうだもんなぁ。
……だけど毎回会釈には応えてくれる。


