ぐいっと腕を引っ張られ、反動で額が隼人くんの胸にごつんと当たった。
「な、なにを…っ」
「なあ、麻由。さっき言葉、ここでもう一回言ってくれない?」
「えっ…」
近距離で私を見る隼人くんの瞳は真剣だった。
話を逸らすことも許さないように、腕を掴んでどこにも行かせないように
大通りを無数の人たちが行き交いうるさいくらいのノイズが鳴っている中で、私は目の前の彼にしか意識が向けられなかった。
「はじめて会ったここで、もういっかい聞きたい。嘘じゃないって確かめたい」
「そんな、嘘なんかじゃないよ」
「じゃあ言って。もういろいろと我慢できそうにないからさ」
急かしてるつもりはないのだろうけど、隼人くんはどこか落ち着きがない。焦ってるような、少し瞳が揺れて不安にも期待にも似た色が見える。
「……っ」
やっぱり、改めてちゃんと言うってなると詰まってしまう。
さっきみたいにスムーズに言葉が出せないのは
私も無意識にこの場所で告白することに気持ちが溢れちゃってるのかな。
ずっと見てるだけだったこの人に、告白をするなんてこと
想像もしてなかったんだから。
「……隼人くん」
私は一呼吸おいて、一度目を伏せ、それから意を決して顔を上げた。
「好きです。ほんとうに、大好きです」


