「…なぁ、麻由」
隼人くんは大通りに顔を向けたまま、目線だけ私に向けて言った。
ぱちりと目が合って、それが久々な気がして戸惑った。
フードコートを出てから一度も目があっていなかったことに今更気付く。
…たぶん、どっちも知らず目を合わせてないようにしてたからなんだろう。
「…なに?」
「お前、はじめの頃、泣いてなかった?」
「えっ…」
泣いて…?
顎に手を当てて記憶を遡る。
最近で泣いてこの道を通ったことなんてないし
はじめのころ…てことは
「あ、もしかして、4月の初めくらいのことかな?」
「ん…、あんまり覚えてないけど、たぶんそれくらい前」


