恋するホイップ



建物の陰で暗くなった路地は、すぐ横の焼き鳥屋さんの煙で少し煙たかった。

同時にいい匂いもして、さっきパスタを食べたばかりなのにお腹がすいてくる。



「なんか面白い? ここ」


未だにこんなところに来たのが理解できないみたいで、隼人くんは慣れたように壁に背を預けて少し段差があるところに座った。


その様子を見ながら、やっぱりずっとここにいたんだな、って

私はなんだか感慨深く思った。



「ここからの景色が気になって」



ちょっと迷ったけど


思い切って隼人くんの横にちょこんと腰掛ける。



隼人くんは横にやってきた私が予想外だったのか、一瞬固まってたけど

すぐに繁華街の方へぷいっと顔を背けた。




「こんな感じなんだ、ここから見る大通りって」



新鮮だ。


いつも素通りしていた道を、違う角度から見るのってなんだか不思議な気分。

座ってるから視線が低くて、建物がいつもより大きくなったように感じる。