「食べりゃ少しは気分良くなるから。ほら、なにがいい?」
あ、気を遣ってくれたのか…。
メニューに目を落とす隼人くんをちらりと見上げて、私は遠慮がちにパスタの欄を指さした。
「じゃあ、これ…」
「あぁ、わかっ……て安いな。ほんとにこれでいいの?遠慮してない」
「う、ううん。ほんとにこれが食べたいんだ」
「…わかった。じゃあ俺もパスタ系にする」
隼人くんはメニューをもって店のほうへ歩いて行った。
「………はあ……」
なんか、うまくいってるのか、いってないのかわかんないや。
最初からだいぶ予定が狂ってるけど…
隼人くんは楽しそうだし、結果オーライ、なのかな?
個人的な精神状態は横においておくとして。
隼人くんを待つ間、私は頬杖をついて何気なく周りを見渡した。
休日だから、さすがに人が多い。
家族連れや友達、カップル。
私と隼人くんって、傍から見るとどう見えるんだろう…。
カップルのデート…に見えるのかな。
と、自分の考えに恥ずかしくなって顔を手で覆った。
いやいや、それは妄想しすぎだってば。
せいぜい友達どまりだろうな。
だってカップルらしいことなんてなにもしてないし…。
そんなふうに考えていた時、斜め前の席のカップルに目が留まった。


