恋するホイップ



せっかくの隼人くんとのお出かけ記念日だっていうのに


嫌な意味で記憶に焼き付く日になっちゃったよ。



「俺は楽しかったからいいよ」


そういう隼人くんは私と対照的でほんとに楽しそう。

シアターをでてから笑いっぱなしだ。


「隼人くん、ホラー大丈夫なの?」

「大丈夫っていうか、あんまり怖いと思ったことがないだけ。今までほんとに怖い映画みたことないだけかもしれないけど」

「今日のやつは? あれ、結構本格的なホラーだったみたいだけど」

「さあ…別に大したことなかったと思うけど、不気味ではあったな」


タダモノじゃない……。


頭にこびりついているシーンがいくつもあって

今夜眠れるかすら危うい私。


「なあ、とりあえずなんか食べない? 食欲あるか」

「うん、辛うじて…」

「何食いたい? 奢ってやる」

「え…それは悪いよ。私も払う」

「お前は座ってろ、言ってくれたら買ってくるから」

「だけど…」


言いかける私を遮って、隼人くんは席を立って近場にあったメニュー表をもってきた。