恋するホイップ




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「……………なんで……」



映画館の1つ下の階にあるフードコート。


そのテーブルに伏せたまま動けない私に、隼人くんの笑いを噛み殺したような息遣いが聞こえる。



「なんで、よりによってホラー映画なんて……!!!」


私が泣き声交じりに呻くと、隼人くんはついに耐えきれずブッと吹き出した。



「麻由、怖がり方半端なかったな。……くくっ」


「笑い事じゃないっ、だって血が! 男の子がっ、霊がっっ……!!」




お昼時のフードコートは人で溢れかえってうるさいくらいの騒ぎ声でうまっている。

それに便乗して、ここぞとばかりに八つ当たりした。


「あんなに怖いなんて聞いてない! あの受付の人、バイ◯ハザードより全然怖くないなんて言ってたのに、もうぜったい夢に出るーー!!」


「まあ、たしかに不気味さはこっちの方が断然にあったな」



笑いながら水を口に含む隼人くんは、悔しいくらいに余裕の様子だ。