「…………」
言葉を返せないでいる間も、隼人くんは絡められた手を引いてゆっくり歩いている。
ほぼ連れていかれているだけのように、はたからだと見えなくもないんだろう。
しばらくしてから隼人くんが肩越しに私を振り返った。
にやりと口角を上げて楽しそうに、小悪魔みたいにいたずらっ子な顔で。
「……ほら、その顔だよ。すぐ真っ赤になって黙り込む、そういうとこがやみつき…いや、すげー可愛い」
合間に言いかけた言葉は聞き捨てならない。
「隼人くん、今日はいつにもまして意地悪だ」
「そう? いつも通りだけど」
これがいつも通りだったら、私はとっくに卒倒してるよ!!
「あんまりそういうこと言われると、こ、困る!」
「なんで?」
「そりゃ、恥ずかしいし、どう反応したらいいかわからないし…、は、隼人くんだってこんなこと言われたら照れるに決まってるんだから」
って、そうだっ!!
今日は私も負けじと隼人くんを褒めまくるってさっき決めたばっかりなのに!
決めたそばからもう隼人くんのペースになってるよ―――!


