「も、もう行こう! 映画館まで歩かなきゃならないしっ」
悔しさより恥ずかしさで声がひっくり返る。
それも面白そうに笑いながら、隼人くんは先を行く私の後をのんびりついてきた。
もう…、朝からずっと隼人くんのペースだ!
まさか今日一日ずっとこんな感じなんじゃ…?
だとしたらもうのぼせて倒れる。
私は手で顔を煽ぎながら先を憂いた。
だめだめ、ずっと隼人くんの調子にのっかってたら告白するタイミング逃しちゃう!
冷静になって、私。
私が褒められたみたいに、隼人くんにも素直に思ったこと言えばいいんだ。
そうしたら私だけ照れるんじゃなくなるし、さっきだって、隼人くんちょっと照れてたもん。
うん。よし、今日は私も負けずに隼人くんのかっこよさを伝えよう。
もしかしたら、2人で出かけるのなんて
今日が最初で最後かもしれないんだから…。
考えないようにしていたことが再び脳裏をよぎり、
私はつい足が止まりそうになった。


