その一連があってから3日後。
この日は早めにバイトが終わったため、繁華街をぶらぶらと歩いていた。
居酒屋から手軽な飲食店が並ぶ大通り。
そこら中から食欲を掻き立てる美味しそうな匂いが漂ってきて、ついつい商店を目で追ってしまう。
…お腹すいたし、肉まんでも買って帰ろうかな。
家族にも買っていこうと、中華屋さんに寄って4種類の肉まんを買った。
こんな時間に肉まんて…女子としてどうなんだろ。
軽い自己嫌悪を起こすけれど、それも一瞬だけ。
肉まんを手にしてしまったらこの食欲は止められない。
ホクホクした気持ちで店を出ると
それと入れ違いになるように、学ランを着た男の子たちが数人店に入ってきた。
その中の1人に目が止まり、私は肉まんを片手にしながら「あっ」と声を上げる。
私の声に彼もこちらに気づいたようで、少し驚いたように私を見た。
「あんたこの前の…」
それはこの前路地でぶつかってしまった金髪の男の子だった。
「こ、こんばんは」
私が小さくお辞儀をすると、後ろから来たお仲間っぽい男の子たちが、興味深げに私を見てくる。
「なになに?知り合い?」
「え、めっちゃ可愛くね?」
「どういう関係?」
無遠慮な視線に、人見知りの私は思わず後ずさってしまう。
う…やっぱりちょっとこういう人たちって苦手…。
緊張して視線をさ迷わせていると、
「うるせえよ、お前ら。さっさと買ってこい」
彼がそんな私の様子を知ってか知らずか、さりげなく私の前に立って遮ってくれた。
少し安心してほっと息をつく。


