私の世界は虹色だ、綺麗に輝いてる。
そりゃ本当に金箔で輝いているわけではなく、比喩である
最近銀閣寺の魅力に気付いた、そのおかげかもしれない
そんなこと言ったら冬紀くんが
「俺のおかげだ!」
って怒り出すから口が裂けても言えないけど本当に彼のおかげだ
今日は絵の具を買いに来たのを忘れていた、前はあまり減らなかった絵の具が劇的に減りすぎて買い足すのを忘れていた
いつもは行きつけのところへ行くのだが今日は仕入れ忘れていたらしく生憎売り切れ、仕方ないので大型デパート巡りをしているのである。
「アカリちゃん?」
「あっ、越智さん。お久しぶりです。」
「相変わらずドライだね〜」
越智さんは私が昔電車で痴漢された際にわざわざ相手を投げ飛ばして電車から引き摺り下ろし駅員さんに突き出してくれた優しい人、その時はまだ冬紀くんとは出逢っていなかったから代わりに越智さんがやっつけてくれたんだと思う
正直怖かったし助けを呼ぼうにも恐くて言えなくてそんな時に助けてくれたからヒーローに見えた、顔も格好良いし。
「そちらの方は彼女さんですか?」
「ああ、はは。分かった?」
「バレバレです、じゃあ」
「あ、 アカリちゃん!なんか可愛くなったね。またね。」
「はい、また。」
照れ臭そうに笑う越智さんと隣の綺麗な女性はとてもお似合いだった、私にもこんな風に彼を誰かに紹介する日が来るのかな
「アカリ!」
ほら、噂をすればってやつだよ。
「冬紀くん、大好き」
嬉しそうに照れ臭そうに笑う冬紀くんが大好き。