爆発まで残り5分となりました

自分を責めている霧雨さんは、肩を震わせながら声を枯らした。



「ごめん……本当に、ごめんなさい。轍にも……波瀬くんにも、佐山さんにも……ずっと謝りたかった」



霧雨さんの背中をゆっくりと擦る。



「ううん、私もごめん。……でもね、霧雨さんのことなら……謝らなくても、皆きっと、分かってくれるよ」



私が、ちゃんと霧雨さんを知らなかったのも、悪かったんだから。



「え……っ?」



聞こえたのかも分からないような小さな声を出して、顔を上げる。



「轍がそうだった。……霧雨さんの事、凄く心配してたよ」



あの時の轍、すっごく悲しそうだった。って、霧雨さんには言えないけど、……でも。


皆、霧雨さんを、ちゃんと見てるから。




「……さ、佐山さん」



「あと、私の事は名前で呼んで。"夏仍"でいいから、ね?」



佐山さんって……何だかよそよそしいからね。と、私は霧雨さんに笑いかける。