爆発まで残り5分となりました

ビックリマークを語尾に押し付けて、返信のボタンを震える指で押した。



その途端、目の縁から涙が溢れて。




「柚希……柚希ぃっ」



私は携帯を胸に押し当てると、小声で何度も柚希の名前を呼んだ。そしてその場に腰を下ろして、ドアにもたれかかる。



本当に、よかった……。



柚希の安否が確認できて、このヒントの書かれた教室にも出会えたこと。



本当に、嬉しかった。……けど、どうしてだろう。……どうして死ぬかもしれないっていう不安がないんだろう。



この教室が───このクラスが守られているような安心感。死なないって最初からわかっているようで、悩みも不安も恐怖もない感覚。




テレパシーって言ったら納得できないけど、本当に。……今から死ぬっていうことが、考えられなかった。



……自信があるということとは、また違うような気がするけど。




私は目の縁を擦って立ち上がると、スピーカーの隣に掛けられた時計に目を向ける。


……十二時二十一分。