爆発まで残り5分となりました

何だか、ここにいたら喧嘩させちゃうかも……やっぱり駄目だったかな。




直子と男子が酷い言い争いになってきたので、私はもう一度ドアをノックしてみる。



辺りが静かになって、直子が男子生徒に殴りかかろうとグーをした体勢で固まった。




「ご、ごめんね。迷惑なら帰るよ」




私がそう言うと、直子がドアに体当たりをするようにぶつかってきて言う。




「ちょ、ちょっと待って!じゃあ……教室には入れないけど、何を忘れたのかだけ聞かせてくれたら、それを渡すよ」



「ほ、ホントに……!?」




それからすぐ、用件だけを伝えて直子にスマホを渡してもらった。


あ……でも、考えれば、私は入っちゃいけないんだった。


直子は優しいからなぁ……他のクラスのグループじゃなくてよかった。




「わざわざ押し掛けてきちゃってごめんね……ありがとう、直子」



「いいってー。じゃあお互い、生き残れるように頑張ろうね」