爆発まで残り5分となりました

「良かった、無事で……でも、どうしたの?」



「いや、ちょっと忘れ物しちゃって……取りに来たんだけど。ダメ、かな……」




私がそう言うと、直子はメンバーのもとに戻って何かを話していた。



すると、一人の男子生徒が私をキッと睨んだ。そして、すぐに大声で叫ぶ。




「お前、俺らの陣地取るつもり?仲間引き連れて喧嘩売りに来たのかよ!」



「え、それは違……」



そこに、直子が口を挟んだ。




「ちょっと、夏仍ちゃんはそんなことしないよ!大体、廊下には誰もいないんだし」



「はぁ?そいつが嘘ついてたらどう責任とってくれるんだよ」



「ええっ?だってー。忘れ物だよ?」



直子は私を信用してくれているらしいけど……男子生徒の口は固いままだ。



「お前、天然だから騙されてんだよ」


「アホに言われたくないんですけど!」