徐々に血の気が引いていく。私は手の甲を口に当てて、一度ぐっと目を瞑った。
ごろごろと転がった肉の塊、ちぎれた指。
何ともいえない血の濃い臭いが、何度も喉の奥を通っていく。
速やかに銃殺された男子生徒の死体は、眠っているようにも見えた。
やっとの思いでたどり着いた教室……電気がついているから、きっと他のグループがいるのだろう。
ドアについているガラス越しに覗いてみると、そこには確かにグループが一組。
……さて、どうやって入ろうか。
私が思いきってドアをノックすると、それに気付いてメンバー全員が振り返った。
その中で一人、見覚えのある顔が覗く。
「あれ?夏仍ちゃん?」
隣のクラスの友達だった、直子(なおこ)が駆け寄ってきた。



