爆発まで残り5分となりました

「ねぇ、悠真。メモ帳か何か、持ってない?」



「あるけど……写すのか?」



「教室の名前だけ。でも、ざっと見たけど……意外と多いよね、数が」




被服室、美術室や家庭科室。見たところ、二十以上はありそうだ……。



「んじゃ、俺……ちょっと休んでるわ。時間になったら起こしてほしいんだけど」




悠真は知らない生徒の椅子に座ると、そう言って机に伏せた。



朝から……こんなことになるなんて思ってなかったからな。


霧雨さんは教室のはじっこで、腰を下ろしていた。轍もその近くに座っている。




私は「うん」と言って悠真の隣の席に座ると、一度後ろを振り返った。



轍は私に気づいたのか、口を開いて、



「……力不足だよな。レクが始まってすぐに怪我して……ホンっと、情けねぇ」




そう、小声で呟いた。