「先生が……生徒を殺す、か」
轍はお腹をおさえながら、壁に寄りかかっている。
あれからすぐ、廊下に出て、色々話していたんだけど。
「悠真……さっき"聞いた"って言ってたけど、あれってどういうこと?」
「……三階に、水筒を取りに行ったとき。廊下でたまたま、先生と鉢合わせになった」
そんなことがあるのだろうか。
悠真が遅くなった理由の一つも、先生とあったから……ということ?
でも、どうして先生は。てっきり……退場のときにだけ動いているのだと思っていた。
「初めて見たからパニックになって……そこで、たまたま近くにあったのが『壁掛けの電話』っていうやつだ。
分からないことに答えてくれる……って。一人三つまでなら、質問できる仕組みになってた」
「……それで、先生のことを聞いたの?」