「なぁ……、もうすぐここを出るんだろ?」



私は小さく頷いた。



爆発まで、もうあと一分と言ったところだろう。……あと一分で、死ぬかもしれないけれど。



でも、さっきから冷たい空気が変わらない。完全に喧嘩状態。




「悠真、大丈夫?顔色悪いよ」



少しだけ、悠真が辛そうな顔をしている気がした。私が声をかけると、ぶつぶつと何かを呟いていたけど。



「さっきの話の続き、聞かせてもらおうじゃない」



霧雨さんのその言葉で、悠真の表情は一変する。



カツカツと秒針が動く度に、胃が重くなるように感じた。



困惑した様子で、二人を交互に見たり私を見たり。どうしてこうなったのかが分からず、おどおどした表情を見せる轍。




「二人とも、話は次の教室でしようよ。……もう、時間がないから」