そして、あの時と同じような銃声。



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耳が壊れるほど大きい音は、数十秒続いた。



耳を塞いでいるけれど、恐怖からか歯の根がカタカタと鳴る。



そして一度銃声が止み、「チャキ、チャキ」という玉切れの音が聞こえた。




逃げるなら今なのに、何故か足音一つ聞こえない。誰も逃げない。





「……っ、今の何だよ!?」



飛び起きた轍の声だけが、寂しく理科室に響いた。




「轍、大丈夫?」



「あ、ああ……けど、今の……銃の音だよな。バンバン鳴ってたけど」



「さっきのは……退場だよ」




きっとドアの奥には、無惨な光景が広がっているんだう。退場は、これで二回目。