「そんなの、当たり前だろ……?」
大きく開いた目から、大粒の涙が溢れる。
今ここで、彼が口にした言葉。私は、本当に幸せだった。
きっと、最後に想いを伝えられた、あの時よりも───。
風が鳴る。心臓が、どくんどくん、と大きく身体中に響いた。
「これが、俺の出した"答え"だから。……遅くなって、ごめんな」
震える手を、彼の背中に回した。制服をぎゅっと掴んで、俯く。
隣にある彼の顔。……嘘じゃない。彼は、私との約束を守ってくれた。
──『そっか。……なら、約束しよう。俺のとなりにもちゃんと、いてくれるよな?』
私が、自分から交わした大事な約束さえも、忘れてしまっていたというのに。



