悲痛の叫びを訴える男子が、必死に廊下を走っていた。



それにしても、一つだけ分からないことがある。



保健室にいたとき、女子生徒が言っていたあの一言。




【来る】



それは、一体誰の事なんだろう。




追いかけられている、というのは分かるのだけれど、誰がどうやって殺しているのかは分からない。



死んだ生徒がゾンビになる……なんてことはないとは思うけど。




「ねぇ、あれって……」




霧雨さんが指さした方向は、ドアの奥にある廊下だった。



私もゆっくりとそちらを見ると、そこにいたのは……。





「────先生……なの?」




震える声で、呟く。