ガァン────!!
勢いよく扉が開く。あまりに大きな音だったから、心臓が止まるかと思った。
その奥から、肩を酷く上下させながらドアを押す男子生徒が現れる。
「……っ、はぁ…………はぁ」
「……大、丈夫ですか?」
声をかけてみる。けど、彼は何も話さなかった。
しかし、ふと、疑問に思ってしまった。この男の子……見たことあったっけ?
一ヶ月もすればだいたいほとんどのひととすれ違うのに、彼の顔は知らなかった。
しばらくすると、やっと落ち着いたのか、ゆっくりと顔をあげた。
その整った顔立ちに、私も思わず見とれてしまった。



